グループホームで介護する(1270)

3月3日は雛祭り、夕飯で蛤の鍋を食べて気がついた。春に3日の晴れなし。自宅の周りは梅に代わって里桜が咲き始めた。介護のニチイ学館横浜校で初任者研修修了後、1ヶ月余り介護から遠ざかっていたが、先月以前お世話になった介護人材派遣会社のT野佑磨さんに電話をしたら、神奈川県内のグループホーム🏠を紹介してくれた。

これを読んでいる私の友人知人の多くは、「グループホーム」の名称は聞いたことはあるかもしれないが、具体的にどんなことをしているのか、詳しくは知らない人が多いと思う。私だって先週の金曜日(2月26日 )までは皆目検討がつかなかった。

電子百科事典『ジャパンナレッジ 』を開くと、グループホームの定義でまず出てくるのは  

知的障害者や精神障害者が、地域でより自立的に生活できるようにノーマライゼーションの考えに基づいて組み立てられた、精神障害者地域生活援助事業の一つ>

だが、介護保険制度が始まって以降の使われ方としては、<認知症高齢者グループホーム[高齢社会/介護]group home for demented elders >が一般的だと思う。それによると

<介護保険法では「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれる。家庭に近い小規模の住環境の中で、59人の認知症高齢者が日常生活上の世話を受けながら、食事づくりなどの家事はその能力に応じて介護職員と共同で行うことにより、自立した生活を営めるようにすることを目指す地域密着型サービスの一種>

グループホームは私から希望した。去年の2月28日に母を94歳で亡くしてから、ずっと母のために何も出来なかった、してこなかった自分自身の悔悟の念を払拭しようと、こう書くと仰々しいし、崇高な志のように勘違いされそうだが、別にそんな大それた言い分ではなくて、母と同年代の高齢者の介護をしたいと考えるようになったというだけだ。私の周りにも介護経験者は結構いるようで、今回の話をすると「俺もお袋の介護を10年近くやっていた」とか「長年飲み会に参加出来なかったのは、お袋が寝たきりで夜は目が離せなかったからだ」と言われて、みんなそれぞれ軽重はあるだろうが、やるべきことをやってきたんだなと身が縮む思いをした。「石(はか)に布団は着せられぬ」とはよく言ったもんで後悔先に立たずだ。

初盆を機して無から介護の世界へのチャレンジを試みた。ネット情報で仕事を探したら未経験者でも働く場所は山ほどあったし、心配した高年齢もクリア出来た。そんな中で一度はこちらから断ったものの熱心に誘ってくれたのが件のT野さんで、その人柄たるや敬服させられることばかりだった。介護については彼に任せようと判断した。彼の紹介で、7月下旬から9月下旬まで県内の有料老人ホームで働いたが、未経験者ほど悩ましいものはない。On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは、耳障りの好い言葉だが、終日「ああしろ」「こうしろ」と悩ましいくらい口うるさく言われ、中には「頭使えよ」とまで。それは私に介護の知識がないからで、笑ってスルーするしかないのだが、本気で取り組む気持ちがあるならやはりキチンと初歩から学ぼと学校に通うことにしたのは、すでに書いたと思う。

2月26日から週3回と考えて働き始めた。こちらは集合住宅に3グループ入っていて、それぞれマックス6人。私の担当グループは今は5人。これを早番遅番で担当する他、泊まり(と明け)の人がいるから、かなり理想的なグループホームと言える。ただ人繰りは、とても大変そうで人的余裕が全くと言っていいほど無いらしい。私のように週3日、月に12日ぐらいだと回っていかないらしく、週に4日の時もあるようになった。それもあの老人ホームでの日々を考えると、肉体的にも精神的にも月とスッポンほどの違いだ。ありがたい。

こちらには、要介護5〜3の方は1人もいない。全員認知症とはいうものの、同じ話を繰り返す人がいる程度で会話は十分に成立するし、楽しい話題も多く一気に和んでしまった。凄いのは、朝日新聞、読売新聞を定期購読している点だ。やはり日本の新聞、雑誌業界を支えてきたのは、65歳以上の高齢者なのだ。テレビは「長七郎江戸日記」と「暴れん坊将軍」を欠かさず見るので、私も「見守り」の時にチラチラと見ている。今日はどうしたのか「韓流ドラマ」の字幕を観ながらの鑑賞なのには驚いた。流石にNetflixやHuluはない。

一番ありがたいのは、見守る人数の少なさだけでなく、車椅子の利用は93歳の女性1人、それもご自身でトイレが出来るから何の問題もないし、話もされる。施設長が優しく明るい好青年なのも施設の雰囲気を良くしている。同僚の中には、言い方、喋り方がキツかったり、ぞんざいな人もいるが、優しい言葉を投げかけるときもあるから、性格が悪いわけではなさそう。家族や周囲にもいつも同じ対応なのだろうか、生活環境からくるものなのだろうか。いずれ慣れるだろう。中には言葉使いは乱暴だが気のいい女性もいて、「これ美味しいから」と新参の私までカレーパンのお相伴に預かったり、別の女性からはコーヒーを入れてもらったりと、まずば順調な滑り出し。

この1週間は5日も働いたので、さすがにクタクタ。夕食後何と家人がバンテリンを全身に塗ってくれた上、背中や足を揉んでくれて一言。「6人目の入居者にならないでね」。

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