子どもの頃、PTAなど父母参観の日、教室の至る所で嗅いだ独特の決して高くなさそうな化粧品の香り。いや匂いだな。その匂いを漂わせて横浜駅で、磯子行き電車に乗って来た高齢夫人に、故郷を思い出した。
今日は月曜日で人出が少なかろうと桜木町の『ブルク13』に12時35分からの「終わった人」を観にやって来た。思った以上に人は入っていた。もちろん9割以上はお仲間、つまり「終わった人」ばかりか、「すっかり終わってしまった人」や「お迎え近い人」などなど同類が大勢来ていた。この映画、ひょっとして当たりかも。私の隣は、70代後半か80代。どう見渡しても、私は若輩者だ。へんな気分。それにしてもババアもジジイも私語が多く五月蝿い。老人同士で来るからか、映画そっちのけだ。でも大丈夫、本編が始まったらさすがに静かになった。
内容は見てのお楽しみだが、スクリーンから見えてくるのは、自分に当てはまる会話ややり取り、身につまされることばかり。自分と重ね合わせながら、ときに失笑、ときに哄笑となかなか愉しい笑い🤣🤣🤣声が流れる。いやぁ〜面白かった。
ただ私は「終わった人」の生き方については、既に体験から熟知している。
①恋愛感情は最初から持たないし、期待もしない。
②年寄りと遊んでくれる可愛い😍❤️💕歳下の女性なんて"僥倖"に巡り合ったも同然と思うべし。
③新たな責任と出費は控えるべし。自分の身の丈にあった老後を過ごすに尽きる。
④故郷は遠きにありて思うべし。
⑤過去の経歴や職歴に頼るべからず。
⑥自分が思っているほど、他人は自分を見ていないし、無関心だと思うべし。
⑦世代交代を知るべし。昨日S谷学君のメールを読んで、まだ50そこそこなのに、「世代交代」と書いていた。それを読んで、私は「終わった人」だと納得した。みな第一線から退きつつあると知るべし。
自分にぴったりだったのは、口臭や加齢臭を気にするシーンで、私はいつも歯ブラシとモンダミンとデンタルクロスを持ち歩く。男性用エイトフォーを使っているのも汗臭いと言われたくないためだ。でも下心は放棄した。地位も名誉も金も権力もない66歳に、相手が何を求めようというのだ❗️と思えば、あとは気楽で愉しい付き合いが残っているのみだ。これでいい。