小笠原 島便り2017(27)続・最後から2番目の便り / 629

今日から7月 <皆さん暑中お見舞い申しあげます>これで夏のご挨拶に代えさせて戴きます。
▼急遽7月2日の便で帰ることになった。昨夕、急な仕事が入ったからだ。私には願ってもない好い話なので即断即決、いずれ皆さんにもお分かり戴けるだろう。そこで気になったのが、未踏破ゾーンをどうするかだ。唯一つ残っているのが、小港海岸からの道が通行止になっていた「コペペ海岸」だ。ここはバスが通っていないところなので、扇浦からぐるっと自転車で回ればいけそうだ。 

▼今日は土曜日で保育園がないため、F沢夫人に便乗して街に出るという訳にはいかない。午前10時5分のバスを待って、村役場前まで行き、近くの小笠原観光で今季8回目の電動自転車を借りた。南島探検に同伴してくれた20代前半の黒目がちの美人のガイドさんがいた。「ヤァ 」「ニッコリ」でもうお互いに分かる。ちょっと嬉しい。電動自転車「赤べこ号」は、湾岸道路をひたすら南下する。この道は、夜明道路の帰りに扇浦から経験済みだ。そこを逆方向で進んでいく。暑い。このところの気温は、30度前後だ。沖縄もそうだが、南の島というのは、山形や群馬、高知のような40度前後という極端な暑さにはならない。第1、日陰に入ると10分もすれば、涼しくて「おっ寒む」と感じることもあるくらいだ。とはいえ照り返しが足元を刺す。 

愛車 【赤べこ号】

▼扇浦海岸も実に風光明媚で、ここまで来て海水浴をする島民も少なくない。土曜日ということで、ブルーやピンク、オレンジ色の水着を着た子供たちを父親や母親が泳がせている。シーカヤックやボートセイリングの白い船体が濃いブルーの海面に一際生えて、キラキラオレンジ色の光を放っている。扇浦から左折するとシャンティバンガローのある小港に向かうバス通りだが、これを直進する。すぐ民家が集中した地域に入る。おぉ、なんと伊藤園の自動販売機があるではないか。父島では清瀬地区と奥村地区の境辺りにコカコーラの自動販売機があるのが最後で、山の方では一切見かけない。それだけに思いがけない“新発見”に、コロンブスの気持ちがよく分かろうというものだ。 

いずれも【コペペ海岸】
▼道は、夜明道路を思い出させるような、上り勾配が続く。持ってきた冷凍麦茶で何度も喉を潤す。「まだかぁ〜」やっと「コペペ海岸」の標識が見えて来た。しばらくすると右手に「最終処分場」と書かれたゴミの焼却場が現れた。あぁこんな山の中にあるのか。さらに下ると駐車場に高級乗用車やバンが並んでいる。この誰も来ない、まぁ車さえ持っていれば街から30分足らずだけど、コペペ海岸を10人足らずの家族が、まるでプライベートビーチのように愉しんでいる。泳ぎたかったが、後のことを考えて断念する。いやぁ好いところやわ。境浦とは別の美しさがある。 
▼この後、シャンティバンガローの周辺や小港海岸まで探検して、一気に湾岸道路を北上する。午後2時前、街に帰り着き、中華料理の「海遊」前で降り立ったところ、両足がこれまでになく異常に激しく痙攣した。いかん❗️肉離れか?サドルに頭をつけてジッと我慢。足を揉もうにも、手が動かない。こちらに来て、というか人生で3回目だ。しかし今日は自分がかなり急坂をオッチらコッチら登って来て、「やれば出来るじゃないか」とほくそ笑んでいただけに、逆にショックが大きい。ようやく硬直が戻り転がり込むように店内に入る。いつものお姉さんが「大丈夫ですか」と大勢客がいるのに、心配して寄って来てくれる。大丈夫。もう自転車には乗らないので、ビールとエビのチリソース辛め、水餃子を注文。麺や飯は止めた。クーラーの効いた店内でようやく人心地ついた。この後はすぐ隣の大神台公園のベンガル菩提樹の下で何と1時間20分も、瞑想することも悟りを開くことも無く、ただひたすら爆睡した。 

美味い   USk 小笠原コーヒー

▼以前、青灯台近くで小笠原コーヒーを飲んだ際、「私にはいまひとつパンチがないように感じた」と紹介したが、今日初めて小港のバンガロー近くの喫茶店で、再度小笠原コーヒーに挑戦したら抜群に上手くて驚いた。この間の事情を店主に話すと「島には3農家がコーヒーを栽培していて、作り方もそれぞれ違うので味も異なる」と説明してくれた。この店のコーヒーは、明日も飲みに行きたくなるほど美味だった。

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