T勢組 月遅れの新年会 / 510

T勢組の新年会が神楽坂であった。夜7時からと言うので6時前に家を出ようとして驚いた。雪が舞っているではないか。傘をさして駅に向かっていると、試験休みで家にいる娘が雪駄を突っかけて追いかけてくる。「マフラー!マフラー!」今日はとっくりセーターだからいらないと思ったが、老いては子に従えで、有り難く首に巻いていく。神楽坂に着いたときは、すでに雪はあがっていたが、猛烈に寒かったからマフラーは正解だった。

T勢組は、大学院修士時代にT勢康弘教授(当時)の「政治とメディア」などの講義を受講していて親しくなった院生たちの集まりで、1年か2年に一回懇親会を開いている。草津温泉に出かけることも有り、年齢も若頭を務める私の65歳を筆頭に、いまや30代になった企業の中堅どこが多い。去年は脊柱管狭窄症が辛くて辛くて、歩ける状態でなかったのでドタキャンした。今年も数日前から痛くて痛くて歩くのがしんどいが、前回の事があるので、30歩あるいては腰をかがめ、痛みが和らぐとまた尺取り虫のようにして神楽坂駅の階段も坂道も登っていった。

定刻主義者の私は、ぴったり時間通り到着。会場のK露葉亭は、初めての店だったが、ちょっと京都や金沢にある老舗風の店が好い感じ。既にT勢さんと代貸しのY紙のS崎君、K通信のK井君は来ていた。続いてY口紙のT田君、医者の奥さんにして超セレブのPさんとほぼメンバーが揃ったところで乾杯。後は人材派遣会社のF川君、医療関係の起業家Y木さん、最後にN刊G代のO野ちゃんがきて九人が揃う。マスコミ関係者が多いのはT勢さんの講義を受講していたから自然の成り行きだ。

私は彼らのオヤジの年齢だが、Pさんは40代半ばとは思えないほど、韓流ドラマに出て来るような超べっぴんさんだ。妹さんが日本でもブレークした韓流時代劇ドラマの皇后役だったから、綺麗度が分かるだろう。全員にチョコをプレゼントしてくれた。気配りの人や。遅れてきたY木さんからも北海道チョコレートを皆戴く。彼女とは娘も家人も仲良しで、正月にK井君と我が家に遊びに来てくれたことがある。皆揃ったところで近況報告。その都度、挨拶の途中で誰かが茶々を入れるので中々進まない。いつものことだ。エリックというニックネームの木村文乃さんをスレンダーにした美人が結婚したとの報告には驚いた。中学生の頃からフランス語を勉強していて高校時代も大学時代も、たしか修士を出た後もパリに留学していた。相手が我々の仲間なのに2度びっくり。事情通のK井君や代貸しのS崎君が解説する。それにT勢さんのコメントが入って爆笑、これもいつもの光景だ。

代貸しが3月にバンコクに転勤することになり、後任に同僚の記者と4月に結婚するT田君が決まり、皆から「執行部入りやなぁ」と言われて、まんざらでもなさそう。「神戸Y口組みたいやね」と皆が笑う。近況報告でもう一つ驚いたのは、Pさんの息子が、今の時点で3校の医学部に合格していることだった。そのうち一つは6年間全額学費免除という素晴らしさ。あとは国立と私学トップの2校が残っているだけというのにも皆驚かされる。「行かないところは、早く辞退してあげないと補欠待ちの人が可哀想だよ」と横からK井君の声。皆も「そうだ、そうだ」と言う、皆ええ奴ゃ。去年はT大医学部が残念だったので、回りも気を遣っていたが、今年のPさんは清々しい。本当に良かった。

こうして中堅処で活躍する若い友人たちの話を聞いていると、来月で定年を迎える私には、みんなが眩しく見える。帰りの電車はT勢さん、Pさんと一緒で、目黒でPさんが降りたので横に座ろうとしたら、若い女性がサッとT勢さんの横に滑り込んだ。これで話ながら帰れず、もっぱらKindleの三国志の続きを読む。南北線は日吉止まりなのでT勢さんとはここでお別れ。向かいの東横線に乗り換えて妙蓮寺駅で降りると深夜12時前、歯ががちがち言うほど寒い。マフラーがあって良かった。

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