小笠原 島便り2017 (19)忙中閑あり 熱中症 / 621

昨日(6月22日)の午後、釣島望台から帰ると、立ち眩みがして例のベンガルボダイジュの下で風に吹かれて寝ていたが、どうも気分が悪い。何だか風邪をひいたように熱っぽい。あぁ熱中症だ。夏場に原発再稼働反対や安保法制反対デモに参加していて、何度かクラクラした時と同じ状態だ。あの時は赤坂の「もも」に転がり込んで、冷たい水ばっかり飲ませてもらって身体を冷やせたからどうにか大事に至らなかったが、「これはヤバイ」と今時の学生のような軽佻浮薄の声を発してしまった。でも本当にヤバい。 

▼自転車を途中返却して、ナインボールに帰りつくとソファに屈み込んだ。エアコンをドンドン下げて、冷蔵庫の冷たい炭酸水を一気に飲み干す。さらにお茶も。少し落ち着いたところで、シャワー室で水を頭からずっとかけっぱなした。あぁ〜生き返った。部屋がドンドン冷えてくる。パンツを履く気力もないので、バスタオルを巻いたままベッドに横たわる。どれだけ眠ったのか、寒くて目が覚めた。身体はまだ火照っている。パンツとTシャツをつけ、甘い桃のジュースを炭酸で割ってロックアイスで飲む。元気が出た。そこで万一死んだら折角の探訪レポートが無になってしまうと奮起、それほどのもんか!スミマセン‼︎!して例のヨットマン噺を書き上げた。ルポライターの鏡やね、誰も褒めてくれんから自分で言う。娘がいるか。いやブログの存在を知らん。

▼夜も食欲がない。再度眠って午前2時前に目覚めた。偉いよのぉ私の午前2時のトラウマは。何となく空腹を覚えたので、冷蔵庫で即食べられるものを見繕う。生協で買っておいたピクルスを開ける。不味い。OKストアのピクルスと全然味が違う。どちらも輸入品なのにこうも味が違う物なのか。ガッカリ。なめ茸を載せた冷奴とキムチとジャンボコーンをツマミに缶チュウハイを1本だけ飲む。この冷奴は優れもので、長期保存が聞く。熱処理した真空パックに入っていて、出来立てが食べられない島の事情を考えると「なかなかお主やるな」。しかも豆腐好きの私も十分楽しめる。

▼島で10日以上暮らしていると、だんだん事情が飲み込めてくる。毎日のように電動自転車を借りているため、受付の明るいお嬢さんと仲良しになったので、素直に訊いてみる。やはり予想通り、島の商店の値段は島民もあの通りなので、「物価がすごく高いんですよ」と嘆いていた。そりゃそうだわな。昨日生協で特売の練りもの、玉葱入りとかイカ入りとかの、大分では<天ぷら>って言うんけれど、福岡の<丸天>の中に少し具材が入っている、それが半額だったので手を伸ばしたら、賞味期限を1日過ぎていた。「ほぉ〜」と瞬間驚いたが、「消費期限」じゃないんだし、島の食糧事情を考えると十分ありだなと納得した。 ということで、午後からは室内暮らし。教訓、島に限らず年寄りは、暑い時は、なるべく出歩かない。昼寝をする。水分を補給する。涼しいところにいる。当たり前か。 

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