滝本二日目 / 552

    五右衛門風呂に入ったら、外は4度の寒さなのにポッカポッカ。ぐっすり眠れたのは久しぶり。でも午前2時に目覚めるのは仕方ない。それでも珍しくすぐに眠ったようだ。

    朝自然の目覚め。午前8時半は私にはかなり遅いかも。何かがある訳でもない。きょうは䂓矩子さんの畑を見て回る予定だ。朝ごはんは、おにぎりとつくしの佃煮、キムチ、お手製のイチゴジャムをいれた、これまたお手製のヨーグルト、それにソーメンの入った味噌汁だ。

    ソーメンの味噌汁が美味い。ここは三輪山に近いので、三輪そうめんだ。このブランドが使えるのは、三輪地方で製造したそうめんだけで、以前Y本という大手のメーカーが島原で作っているのに三輪そうめんの商標で売ったため、組合から除名されたことがあるという。「島原を引き払って今は三輪地方だけに切り換えて復帰している」と䂓矩子さん。ウチは年間150把ほど買っているが、池利の三輪そうめんだ。

     2日目は、庭の下の畑でブロッコリーを収穫し、少し離れた畑でワサビを掘る。「えっ⁉️ワサビって畑でも採れるの」と私。早速掘って谷川の水で洗う。少しかじると十二分に鼻をつく本物のワサビだ。「こりゃ刺身がいるなぁ!」と刺身好きの私は䂓矩子さんをスーパーに誘う。

    

    昼はつくしの佃煮とキムチと水菜と魚久のシャケの味噌漬けを焼いて食べる。またご飯を食べ過ぎてしまう。脊柱管狭窄症が酷くならないのが不思議だ。少し休んでからイオンの子会社のビッグというスーパーとホームセンターに買いに出かけた。立派過ぎるスーパーマーケット。刺身が安いので、いつもの癖でついつい買い過ぎてしまう。甘王が安売りなのでこれも二箱ゲット。こりゃどう見ても親子の買い物だ。帰りにセメントを買うと夕方近くになっていた。スローな生活、イイね。

    期待通り䂓矩子さんの作ったワサビが旨くて、刺身が絶品に思えてしまう。二人でもう入らないというほど食べたのに残ってしまった。すると䂓矩子さんは、さっと昆布を持ってきて一切れ一切れ巻き始めた。「明日美味しいよ」と微笑む。そうかその手があったか。ワサビの葉っぱも䂓矩子さんはムダにしない。サッサッと和えて、わさび菜漬けに。これがまた美味いのなんの。糖尿病なのに山盛り3杯食べてしまった。深く反省。

   食後は二人で、途中からお風呂を借りにきた近所のF村さんも加わって甘王をほうばり、䂓矩子ティーを飲みながら昨日の続きを取材する。これは䂓矩子さんの365日の過ごし方の聞き取りで、大量のアルバムを前に語ってくれる。だんだん分かったのだが、䂓矩子さんには、京都と大阪に娘3人の一家が、奈良市内に一人息子の一家がそれぞれ住んでいて、長男は孫を連れて遊びに来る。

   長女の婿さんは、K都大学経済学部教授をへて愛知県の女子大の学長をしていたそうで、䂓矩子さんと話していて、吉本隆明や姫岡玲二(本名.・青木昌彦)を知っているのにビックリしていたが氷解した。婿さん一家は、スタンフォードで青木さんの近所に住み、仲が良かったそうで、余りに面白いのでTビーエスの姫岡門下?のT(田信ニ)ちゃんに電話した、というのもこの日は珍しくアンテナが1本立っていたのだが、残念。

   とにかく息子と娘の4家族に子供や孫、曽孫がいて、年末の餅つきの時は一族再会で大変らしい。昔からの村の行事や風習を守りながら、ほとんど自給自足、年金で暮らしているという。「だから何でももったいないと思って、捨てられんのやわ」と言う。いやいや理想的。暮らし名人、いや達人か。昔はみんなこうして暮らしていたんやわ。

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