小笠原 島便り2017 (21)復帰49周年㊗️父島返還祭 / 623

来年の6月26日は小笠原諸島が、米国の占領下から本土復帰して50年になる。その前年、つまり49周年の「父島返還祭」が、大神山公園で夕方5時から盛大に行われた。売店もたくさん出て、中には客が行列をつくていたところもあった。よくよく考えてみると、島民の数が父島だけで2000人、観光客がいま600人ほど来ているので、合わせた数のおよそ10分の1がこの祭りに参加していたことになる。▼ここで四谷「万作」のS野万作さんの小学校の同級生M下一男村長が、本部席に座っているのを見つけた。私が20年ほど前から「いつかきっと小笠原に行こう」と思うようになったきっかけは、このM下さんがチョクチョク万作に来ていて、万作さんから小笠原ゆきを何度か勧められたからだ。人間のきっかけって不思議なもんだ。 

この保育園児集団の中に、F沢家の次男 城ちゃんも

▼ジャパンナレッジ(学術論文などでの使用が認められている電子百科事典)で調べると、敗戦前の1944年に島民6886人が強制的に本土に疎開させられたとある。敗戦後のアメリカ統治下、何度も本土復帰を望んだが、米軍は返還を渋った。と言うのも核を貯蔵していたからで、尚更できない相談だったようだ。結局1968年に復帰できた時に帰島した人は、649人。いまや母島を含めて2500人。住民の住居、アパートが不足しているくらいだ。

▼実はこの島に部屋を借りて暮らそうと考えているのだが、そう甘くはないことが、住宅事情を調べただけでよく分かった。村長に会った際にその話をしたら、「そうなんですよ、島民も困っているんですから」とやんわり、島外の人じゃ もっと無理だよと言われた気がした。 

住宅事情は厳しい

▼私が返還祭に出かけたのは、以前泊まっていたシャンティバンガローの長男で6年生の福助君が楽器演奏の指揮者をすると聞いていたからだ。いつもの調子でF沢夫人に「じゃ観に行きますよ」と言った手前、約束を守らなくては。間に合った。夫人も次男の城ちゃんを抱っこしながら観ていたので、「バッチリ、いい写真が撮れましたよ」と声をかける。今後の予定では29日から再びバンガローにお世話になることにしている。 

いい写真も数々あれど、顔が見えない方がベストかな   因みに福助君はハンサムボーイ

▼今日は身体が怠くて、1度起きて卵かけご飯と味噌汁と昨日の魚と野菜の煮付けを温め直したもの、キムチ、それにデザートにアイスキャンデーと夏みかんを1個(これはスカスカで不味かった)食べたらまた眠くなった。ここが気楽な所で、再びベッドに直行、2度寝、3度寝を繰り返し、目覚めたら正午を回っていた。今日は何をしようか?晩飯のおかずに魚を釣るかと、餌を買いに「おつかめ屋」さんに顔を出した。いつものようにT地亀太朗さん(24歳)が店番をしていて、因みに弟は鶴寿朗さん、「何がいいかな今夜のおかずに釣るのは?」「ハタ、釣りますか」と簡単に言う。私もその気になって、勧められた「STRONG 五目」の針とオキアミの大きいサイズのものを購入。勇んで青灯台へ。 そうそう白い灯台なのになぜ「青灯台」と呼ぶかといいうと、照明の色がブルーだからだという。

▼亀ちゃんが独り言のように、「こんな暑い日に、(釣る人)いるかな?」と笑っていた通り、誰もいない。余りに暑いので部屋に戻って、凍らせておいた麦茶の大きいサイズと微糖のアイスコーヒーのこれも大きサイズを取って来た。その際お昼の弁当がわりにもちもちパン1個、シュノーケル、ライフジャケットも忘れなかった。灯台の日陰に座っていると通り抜ける風が涼やかだ。でも照り返しが暑い。さらに釣れない。1度だけ大きな当たりがあったが、これはこの前と同じ感覚で、サメかもしれない。退屈なのと暑いので、海に飛び込んだ。何度かやっているうちに、小学生の子供を泳がせに来たお母さんにお願いして写真を撮ってもらった。気さくないい女性で「泳いでいる水中のも撮ってあげますよ」。 



▼一方魚の方は、青灯台で2人の中年男性が釣りを始めたばかりのようだ。こうして3人は、1時間以上待てども、当たりは来ない、だが餌は取られている。うーん。2人組は東京と埼玉から来た42歳と36歳。初めて魚釣りをするというから、「私もここに来て始めたばかりなんですよ」と仲良くなった。「自炊なので、釣れないと今夜のおかずがないんですよ」などとたわいもない話をしているうちに、36歳が1匹釣り上げた。もう午後4時近いので引き上げようとした時、「僕たち魚が釣れても宿で料理出来ませんから、良かったらおかずにしてください」と笑う。こういう時は「喜んで!」と何処かの居酒屋の注文受けのように素直に言わなくてはいけない。彼らは飲み物なしで頑張っていたので、未開封のコーヒーの大きなペットボトルをお礼に差し上げた。愉快愉快。 

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