書評『ロッキード疑獄』(1217)

夕方になってコンビニから朝刊が引き上げられ営業妨害にはならないので掲載します。

これは、今朝(12月19日)の東京新聞 P11で紹介したH名幹男さん(元K同通信記者、N古屋大学特任教授、W稲田大学客員教授)の『ロッキード疑獄』(角川書店)の書評。

A日新聞(紙も)、M日新聞、それにT京新聞はいずれも電子版で購読しているので、写真の撮り方が下手で上下に黒が出てしまいました。

<このページは、C日新聞、H陸中日新聞、N刊県民福井にも 同時掲載とのこと>

<Facebook仲間のE上剛さんと横並びというのも可笑しい>

<因みにC日新聞グループの総発行部数は、302万部>

600ページの分厚さ。ただH名さんには『秘密のファイル CIAの対日工作』(K同通信)という上下2巻、たしか800ページ以上の作品が、20年くらい前に出ている。それにしても表紙のカバーも中身も真っ黒で、表題が読みにくい。先日三省堂で探したら本当に見つけにくかった。知っているからわかるので、知らない人はスルーするだろう。だから「おいおいカドカワ、売る気あるんかいな?」と思いながら読み始めた。

やはり記者出身なので「スクープ」「特ダネ」にこだわる。1976年2月5日A日新聞朝刊のスクープは、Rイター通信社の記事を翻訳したにすぎず<特ダネとは言えない>としたうえで、<「日本ジャーナリズム暗黒の日>と言うところに、老いてなお特ダネ記者の矜持が伝わってきた。まぁ私は特ダネは、記者同士、各社同士の意識、受け止め方であって、「A日に抜かれた」と思えばA日の特ダネだと。

4年前に出たA日新聞記者O山俊宏さんの『秘密解除 ロッキード事件』( I 波書店)では、事件発覚直後に中曽根康弘幹事長(当時)が、揉み消し工作に動いたことをスクープしているほか、すでに書かれている部分がいくつもあるのだが、その読み込み方に <多くの未解明の疑問に対する答えを出していなかった> と異をとなえている。いささか鼻じろむ思いがしたが、それも特ダネを意識する記者ならではの執念や熱い思いからなのだろう。

とにかく双方を読み比べて判断するのが良い。私の感想は、O山さんの作品を『北雪』のような良質の純米酒とするなら、H名さんの作品は『鳳麟』のような濃厚な大吟醸だろうか。どちらを評価するかは人それぞれ。年末年始によむ本に、この2冊を加えられることをお薦めする。

あぁそうだ、M山治さんの『安倍・菅政権 VS . 検察』(B藝春秋)も是非。

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