毎月17日は、『小説すばる』の発売日だ。1年ほど前から定期購読している話は、北方謙三さんの「チンギス紀」のところで書いた。
それは今も続いていて、今月も読んだあと、ページをめくっていると、カラーの挿し絵が描かれた作品が目が入った。「あなたの愛人の名前は」島本理生(りお)。これまで『小説すばる』は、「チンギス紀」をわざわざ切り取って、『scan snap 』を使って電子化して、iPhone やiPad で電車の中で読んでいた。今回はたまたま挿し絵が綺麗だったので、そのまま読んだ。
名前すら知らなかった島本さんの作品を読んだ翌日、「ファースト ラヴ」で直木賞を受賞した。実は何度も候補になっていたんだ。ごめんね。
18日夜のニュースで、何か聞いたことのある名前が出ているなぁと思って、慌てて『小説すばる』を開くと、「あっ🤭🤭🤭やっぱりこの人だ❗️」と自分が発掘した作家のような不思議と好い気分になった。勝手なやっちゃ。
翌日の朝刊の新聞広告には、なぜか湊かなえさんの大きな広告の上に、思い出したかの様に、「直木賞受賞 島本理生」の文字が載っていた。きっと湊かなえさんが受賞すると読んでいてハズレたのか。
いやいや新聞記事では、受賞作は『文藝春秋』から出た本だったからだ。そりゃ他社のPRはせんわなぁ。
さらに読んでいくと芥川賞も『文藝春秋』の「文学界」掲載の作品だと分かった。ついつい社会部出身なので、『文藝春秋』をめぐるゴタゴタで、このまま会社自体が衰退してしまうと作家たちも発表の場を失ってしまう。ここは社長が交代した直後のご祝儀で、と選考委員が忖度したのか⁉️など穿った見方をしてしまった。そんなことはありえへんのは、よく分かっているつもりだが、ついつい俗人の発想が頭をもたげた。でも文春も良かったよなぁ〜。