「こんなことでもなければ、決して入ることができない防衛省の建物です。まっすぐお進み下さい」の女性のアナウンスには笑った。第2回目のコロナワクチン・モデルナ接種会場・大手町合同庁舎3号館でのことだ。今日7月11日は、2回目の接種。午後4時といささかイレギュラーな時間だったが、大谷翔平選手の試合を見終わってから、カンカン照りの中をタラタラ向かう。
日吉で都営三田線に乗り換えれば、まっすぐ大手町。ところが大いなる勘違いだった。遠い、遠い。「あれ、こんなに遠かったけっ⁉️」降りたところは、いちばん会場から離れた行幸通出口、歩く歩く。会場があるC2b出口がなかなか見えてこない。途中、標識を持ったスタッフが、「こちらです」と声を掛けてくれる。「暑い中ご苦労様です」と応じる。夜回りや朝駆け、立ちっぱなしの記者生活を20年以上やって来た者としては、立っていることがいかに苦痛かよく分かるからついつい同情してしまう。
ようやく大手町の会場前に辿り着いた。前回の5分の1、いやそれ以下の人出だ。検温、今日が接種日かどうか、問診票の有無などを前回同様、流れ作業的にこなしている。もうすっかり慣れたんだな。それにしてもこうした人の流れをスムーズに行くようにプランニングした人は凄い。確かに無駄がない。最初の関所を過ぎれば、件の女性の「防衛省コール」の場所だ。ふと思う、確かに防衛省の建物に入るのはまず無いが、財務省でも厚生労働省でも同様に誰でも入れるわけでは無いだろうに・・・とついつい暇なので無駄なことを考えてしまう。
黄色4階、青7階、赤10階に分かれてエレベーターに6人ずつ乗って上へ。私は赤組。中ではほとんど渋滞することなく、さっきと同様、書類の確認、問診票のチェック。それが終わるとどんどん次のコーナーに進む。最後の「接種コーナー」の注射担当は看護婦さんだった。ラッキー。看護婦さんが一番安心できるのは、経験の数が違う。全く痛みを感じることなく終わる。ついつい調子に乗って、壁の注意書きにあった「過度のアルコール摂取は控える」を指して、「ビール1本は大丈夫ですか⁉️」とつまらん質問をする。もう何度も訊かれたのだろう、ウンザリした顔をして、「人それぞれアルコールの量は違いますから、ご自分で判断してください」。何時間も接種していれば、こんな愚問に「いい加減にせい」と叫びたくなるやろうね。ごめん🙇♀️🙇🙏なさい。
15分の経過観察前に「接種終了証明書」を受け取る。「このワクチンの効果が出るのはいつからですか❓」と目の前の女性スタッフに訊くと「エッ分かりません」と困惑。「あっ申し訳無い余計なことを聞いて」と立ち上がろうとすると、後ろから男性職員が「2週間です。それまで今のように気をつけてください」と助っ人に出てくれた。経過観察の間、この文章を書いていたら15時59分になった。午後4時の予定だったからピッタリ。ここでも定刻主義者だった。
外に出ると雷がけたたましい音を響かせている。「バリバリバリバリ」といまにも落ちてきそうだ。急ぎ足で地下鉄のある経団連ビルに入った。ここからまたテクテク来た道を帰る。乗り換えに便利なホームの1番前まで進んだところで、ちょうど日吉行きがやって来た。時計は午後4時17分。往復だけで30分以上歩いたことになる。帰ると酒も飲まず、冷えたほうじ茶で、石狩鍋と煮豚を食べる。自家製のピクルスは大好評で、ほとんど残っていないが、辛すぎて2人には食べられない「青唐辛子」はまだまだ十分ある。これが美味いんだなぁ、無い髪の毛が立ちそうなくらい辛いのだ。