表記や分別は難しい。「立ち食い」の規定も、江戸時代の屋台そばが発祥だとすれば、基本は立って食べることになる。ひょっとしたら縁台のようなものを置いた、気の利いた店もあったかもしれないが、名実ともに「立ち食い」は立って食うことに由来する点について異論はないと思う。ところが誰もが書き込める(ゆえに大学や大学院のリポート、論文には使用できない)「ウイキペディア」によると、
<店によっては立ち食いではなく、カウンターに簡易椅子を設けて腰掛けられるようになっている場合や、テーブル席を置いている場合もある>
こういう場合は、せめて「立ち食い風」とでも書いてほいしいところだ。しかし全席が椅子の場合、どこに立ち食いの「立ち」が存在するのか。以前文庫本で「立ちそば」と表記していたライターがいたけれど、それは造語もいいところで、立ったそばって存在するのか❓日本語的にもおかしいのではと思ったものだ。以前も書いたことがあるかもしれない。
インターネットで「立ち食いそばうどん 神奈川県」と叩くと、普通の蕎麦屋も一緒に出てくる。私も好きな蕎麦屋に横浜を中心にした『味奈登庵』があるが、この店のどこが「立ち食い」なのか理解できない。全椅子席であり、店の暖簾や看板にも「定食」とはあっても、「立ち食い」の文字は見えない。ひょっとしたら支店の中に「立ち食い店」があるのだろうか❓あれば教えてほしい。とにかく「安い」「早い」「美味い」の三要素が揃った「そば・うどん・きしめん店」は「立ち食い」で括ってしまっている。誰がどういう理由で仕分けしているのか❓
ということで、SNSでは立ち食いコーナーがあるように見えた横浜市鶴見区駒岡の『ごん兵衛』に朝から胸を躍らせて、愛車あかべこ号で出かけた。Googlemapで見ると以前住んでいた松見町からすぐ近くに見える。散歩コースだったこともあり侮ったのが運の尽き。三ツ池公園の周辺をぐるぐるまわったあげく、1時間近くかかってやっと辿り着いた。
店内に入ってびっくり、ビックリ〜。全て椅子席ではないか。困った😨😨😞😞。そこは臨機応変、邪魔になりにくい返却コーナーの横の椅子席をずらして、そこで立って食べることにした。注文したのは、温かい「アジフライそば」に「白身フライ」「玉ねぎのかき揚げ」で480円。揚げ置きとはいえ、アジは特有の味がして美味かったし、玉ねぎの甘さを堪能できてまんぞく満足。と思った矢先、唐辛子が気管支に入って咳込み始めた。この時期、咳をしたら店の人も嫌がるし、それ以上に客も引いてしまう。「唐辛子が気管に入って・・・」と言い訳しながら、というより説明なのだが、急いで食べようとするとますます咳が出る。カウンターの奥で、ご主人らしい年輩の親父さんが不愉快そうな顔を見せている。あちゃ〜😣😣。当たり前だよね。這々の体で引き上げた。