午前6時半に目覚めた。昨夜、長期滞在者のSさんから「島の生活は早く始まり。早く終わる」と聞かされたうえ、「夜中の(島時間的に)11時まで飲んでないで、明日に備えて早く休まなくっちゃ」と教育的指導を受けたからだ。今日(6月12日)の予定は、城ちゃんを保育園に連れて行くF沢夫人の車に便乗して、島の北西部にあるウエザーステーションに登って、帰りは下りだから一人でタラタラ降りて、大村地区の生協かスーパーで夜の食材を買って来るつもりだった。ところが朝からどんより曇っていて、雨が降りそうなので急遽中止。午後から境浦海岸でシュノーケルを使って沈没船を見に行く計画も、水中が暗くては見え難いというので諦めた。つまり島の生活は、天気に左右されることが多いのが旅行者の諚なのだ。
▼夜の食材がないと店舗が一切ない小港地区では、買い置きのカップラーメンかレトルトカレーになってしまうので、11時25分のバスで青灯台まで出る。朝はフルーツグラノーラを皿いっぱい食べただけなので、もう空腹を覚える。一昨日から帰りのバスを待っている間、バス停の真ん前にある中華料理店「かがや亭」のメニューが気になっていた。店内に客は1人。中のカウンターにしようか迷ったが、折角だから外のテラスに座る。注文したのは、上海エビ焼きそば硬めと餃子、それに生ビール。ここでiPadとiPoneを取り出し、通信を開始する。Auでも簡単に繋がるのが嬉しいね。メモっておいたブログをアップして行く。
▼途中でお目当が登場。少し塩味がきいているがお酢をかけて丁度イイように。まぁビールの友と思えば。遅れて出て来た餃子は、私の好みではなかったが、これもツマミと思えばまぁいいじゃないか。12時過ぎには食べ終わったので、昼飯時はサッサと出るのを信条にしている手前、すぐに店を後にする。次のバスが来るのは午後1時40分。この時間帯は、観光客は海や山に出かけているので、ほとんど姿が見えない。というのも、おがさわら丸はほぼ6日に1便しか出航しないので、観光客は1航海だと、船内2泊、島内3泊、つまり5泊6日の持ち時間を有効に使わねばならない。夏休みに観光客が集中するのは、有給休暇をやり繰りすれば2航海のコースを狙えるからだろう。
▼少し先達ぶれば、早めに予約しないと宿泊先が無いことだ。兎に角アパートはもちろん、ホテルやコテージ、バンガローも7月のシーズン中、まぁ8月いっぱいは、中々思うように確保するのは厳しいようだ。私も郊外の(いや郊外すぎるけど)バンガローにせざるを得なかったのは、インターネットで調べたら長期宿泊できるのは、シャンティバンガロー唯1軒だったからだ。しかも季節外れだったから確保できた。でもこれが良かったから不思議だ。理想に近い住まいだった。残り物には福がある。因みにF沢家の小学6年生の長男は、「福助」くんという。いい名前だ。
▼街の中を歩いて、明後日以降の準備をする。というのもおがさわら丸は、先週の金曜日に竹芝桟橋を出て、翌日の土曜日に二見港に入港した。ここで3泊して火曜日の午後3時45分に再び東京に向けて出航するので、この期間はレンターカーもバイクも電動自転車もすでに予約客でいっぱい。急がぬ私は明後日の出航後でいいけれど、どんな感じか村役場近くのレンタル屋さん覗いてみた。ところが乗り物は全て出払っているためか、誰もいない。この辺が島ならではの大らかさだ。
▼お店のポスターに小笠原のレモンサイダーやレモンジュースと並んで新作のレンモン酒も登場したとあるので、JA小笠原の直売店に立ち寄る。ここでも通りに面したテーブル席に腰を下ろし、バナナアイスと一緒に飲む。先ほどの続きのブログをアップしてしまい、今日は買い物をしてかえるのみ。パラパラと降り出したので、サッサと買いものを済ませた。今日は小笠原で獲れた「姫鯛」と「黒ムツ」をゲット。横浜からお気に入りのハウス安曇野ワサビを5本も持参したので、刺身が楽しみだ。停留所に向かうとタイミングよくバスがやって来た。帰った途端、ザーッというかゴーッというか叩きつける激しい雨が降って来た。その間20分程度。気がついて写真を撮った時はもうピークを過ぎていた。
明日(6月13日)の便で帰るとF川さん
▼夜はF沢家の新築工事に1月から来ていた佐賀のF川さんが明日の便で帰るというので、送別会を家族、宿泊客総出で行った。途中からご主人の友人のヒロさんも参加して、子供たちも大喜び。どこへ行っても子供に人気だという。太鼓を叩くと子供たちも浮かれて一緒に叩く。周囲に何も無いから大きな音も気にすることはない。しじまに響く太鼓の音。F沢夫妻はこうして20年過ごして来たのか。「島で新築するのは本土の3倍かかる」とF川さん。F沢夫妻は「一生の恩人です」と何度もお礼を言っていた。空には、貝殻を撒いたように裸眼でもハッキリ見えるほどの星が出ていて、その中をコウモリが飛んでいた。