理不尽・劣悪介護労働環境裁判傍聴(1254)

はるみちゃんは、私の幼稚園、小学校、中学校、高校の6年先輩で、旧杵築町 (私が生まれた1950代はじめまでは、まだ速見郡杵築町で、その後近隣の八坂村、東村などと合併して杵築市になった) の人なら「あー秀才で有名だった」と言われるほど町一番の才媛で、九州大学に進学しドイツ文学を学んでいた。そんな彼女が、私の『消えた警官』を読んだらしく、7〜8年前に電話で「講演して欲しい」と言ってきた。授業の日と重なったためか理由は忘れたが断った経緯がある。代わりというと失礼だが、「A木理さんに頼んだので心配しないで」との電話をもらった。それからしばらくして、千葉の市川だったか下総中山だったかの駅近くで飲んだことがある。

<日本一小さいお城 杵築城 本当は天守閣などない山城だったそうな>

その時は、介護福祉士として老人ホームやホームペルパーとして働いていると聞いて、「へぇ〜」と聞き流す程度だった。一昨年選挙に出ていた時、「新潟市で介護問題で困っている人がいるから話を聞いて欲しい」と言われて、東京弁護士会館の事務所で会ったことがある。その時も介護の何たるかが分からず、「要介護2の人が、突然新潟市から要支援2に不当に落とされた」と言われても、当時の私は「そうですかぁ」としか応じられないレベルの低さだった。

<旧杵築の子どもたちは、この酢屋の坂を登って幼稚園、小学校に通った>

ところが去年2月に母が94歳で逝っていろんな思いがあって、介護の世界に足を踏み入れてからは、厚かましい話だが、何でもかんでもはるみちゃんに教えを乞うようになった。彼女は介護保険制度が始まる前から介護に携わっているベテラン中のベテランだから、何を聞いても的確な方向性を示してくれる。同時に私が介護労働者の実態を知らなさすぎる、あまりのレベルの低さに呆れたのか、「この本がいい」とか「彼の主張は、利用者目線で優れている」とか示唆に富むメールをくれるようになった。

そんな彼女から介護現場の不当な実態、国がやるべきことを全く放棄している現状を見た方がいいと勧められて、今日(2月9日)、東京地方裁判所に出かけていくことにした。

その前に、都内に出る機会、それも都心は滅多にないので、3時間も早く出かけた。銀座・伊東屋で、パーカー(万年筆)のペン先とインクが一体化した特殊な替え芯とウォーターマンの替え芯を購入するためだ。この替芯、横浜で探したのだがどこにも無くて、やはり銀座・伊東屋でなくっちゃということになつた。銀座・伊藤屋は記者時代のオアシスで、就職したいと思うほど好きな文房具店だが、女性店員がとても感じがいいのも、この店を贔屓する大きな要因である。きょうもそうだった。

<野菜と云っても90%以上はもやし。もうやしは大好物なので嬉しい>

日比谷線で再び霞ヶ関に戻ったが、まだ11時半過ぎで、開廷が午後1時15分だから相当余裕がある。あっ🤭🤭🤭せっかく来たのだから弁護士会館地下の蕎麦屋に行こうと、司法記者時代、週に2〜3回は通った『みとう』に立ち寄った。ここではいつも「野菜蕎麦」を食べていたので、20数年ぶりに同じものを注文する。昔は美味いような気がしていたが、何か馴染まない。つゆがいまひとつ淡白に感じられるのは、私の好みの変化なのだろうか。それでも出たものは全て食べる。まだそば湯を飲んでいてもテーブルの上のお盆ごとサッと持っていく流儀は変わっていない。満席でもないのに、ほんの2〜30秒が待てないのは、店のマニュアルにそうあるのだろうか。

東京地方裁判所、というか高裁の建物に入るのは、おそらく20数年ぶりだろうし、傍聴席に座るのは司法記者時代以来だから30年ぶりだろうか。入口で空港のような持ち物検査が行われていて、やはり浦島太郎の心境だ。傍聴は抽選もあるというので、早めに法廷横の控え室に向かい、『へろへろ』(鹿子裕文著・ちくま文庫)という介護の本をKindleで読んでいると、はるみちゃんがやって来た。彼女と直接会うのは3回目だ。

裁判は、「ホームヘルパー国家賠償訴訟」。私はまだ駆け出しだから、ホームヘルパーがどう云った仕事をしているのか、机上の知識しかないのだが、3人の女性ヘルパーは、「労働環境の劣悪さを放置しているのは、事業者の責任ではなく国に責任がある」と訴えている。詳しくは、Google先生に「ホームヘルパー 国家賠償訴訟」と訊いてみると詳細がわかる。 朝日新聞や東京新聞、週刊金曜日、現代ビジネス、雑誌のBricolageなどでも取り上げているから、そちらを読むといい。

午後1時前には、だんだん傍聴人が集まり始めたので抽選になるかなぁと思っていたら、今回は(前回は抽選だったと聞いた)幸い数席余裕があって全員入廷出来た。3回目の民事裁判なので書面のやり取りだから、傍聴人は何が行われているのか分からない。その間20分程度。最後に次回期日を弁護士と国側の訟務検事とでやりとりした後、裁判長が「それでは次回は4月20日午前10時からです」と告げて閉廷した。

そのあと1階の待合所で弁護士を囲んで、今日の内容の説明と原告の活動の現状が報告され、質疑が交わされた。法廷には朝日新聞とどこかの女性記者❓が来ていて、集会でもメモを取っていた。彼女たちの主張を直接聞くと、仕事で訪問する家から家へ移動する時間が労働時間として加算されないことや利用者の急なキャンセルでも賃金が支払われず泣き寝入りしなければならないことなど、具体的事例を次々と聞いていると唖然、呆然、怒り心頭になる。

ところが、驚くほどの劣悪労働環境にも関わらず、最低賃金などの改善に雀の涙ほどで良しとしていて、労働環境の改善には国が何も動こうとせず、労基局任せでお茶を濁しているばかりか、その矛先を事業所に押し付けているという。「事業所が補償していたら、どんどん倒産してしまいますよ」とも言っていた。本当に年を追うごとに、ますます介護社会になっていくのに、こんなことでいいのだろうか。私はこれからのことを考えたら、介護職員は全員公務員にして採用し、その基準を初任者研修修了者を介護公務員1、実務署研修修了者2、介護福祉士3、社会福祉士4とかにして給与補償や社会保険が完備すれば、希望者が増えて慢性的な人員不足も解消されるのではと、無知ながら勝手に考えている。お笑いめさるな。

久しぶりにはるみちゃんと会ったので、新橋まで歩いて『ビアライゼ98』に顔を出した。いつものようにY田さんがいて、ご主人のM尾光平さんが奥から出てきた。知り合ってから20年は経つのに若いなぁ。「先月、植野広生さんのBSの番組を見てたら、光平さんが出てきたのでビックリ‼️もう全国区やね」と。一番人気のメンチカツ(植野さんの番組もこれだった)、ピクルス、ゲソ揚げをツマミにビールを3杯、チャーハンも食べて満足満足。内幸町駅近の喫茶店でさらに1時間ほど話して別れた。

帰りの電車では韓流ドラマの『結婚作曲 離婚作詞』を見ていたら、あっという間に終点の日吉についた。妙蓮寺では途中どこにも寄らずに帰った。家人が昨日の金目鯛鍋の残りで雑炊を作っていたので、私も一緒に。金目の出汁が効いていて美味い😋😋😋。思ったほど歩けず8082歩。

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