今夜も酔っ払い / 530

 締め切りがない生活というのは、ストレスなしで実に清々しい。起きたいときに起き、寝たいときに寝る。腹が減ればキッチンに立ち、面倒くさければ近くの岩月(蕎麦屋)か萬福(中華料理)で一杯やりながら昼をとる。帰れば電子書籍で小説からマンガまで自由自在。

 森友学園のニュースを見て、世の中には、似たもの夫婦というのはいるもんだと思った。普段どんな会話をしているのだろうか。逆になぜ結婚したのか首をかしげる夫婦も少なくない。私の持論は、結婚前に「(結婚)相手の母親を見よ!」に尽きる。あの母にしてこの子ありというのが、経験的によく分かる。だが家人曰く「別に趣味が一緒とか、何でも同じというだけで、仲が良いとは限らないし、逆に疲れると思うよ」と。そうかも知れない。

 先日「亭主元気で・・・」の替わりに「女房元気で留守が好い」と思わず言ったら、家人から無視されてしまった。相変わらずつまらんことを言っているなと。家人と私は気が合う要素が意外に、いや不思議なほど少ない。食の好みもそうだし、コンサートや歌舞伎などでも接点がない。だからまれに一緒に映画に行く程度で、一緒に何かをするということが全くない。

 ただし絶対気が合うところが3つある。その一つが、言わずもがなだが、16歳の娘を溺愛している点だ。どこの家庭でも同じだろうが、特に私は年齢差48なので孫と変わりない、つまりお爺ちゃんの心境で見てしまうから尚更可愛い。

  安倍晋三内閣が大嫌いな点でも気が合うところだ。特に一連の稲田朋美大臣の日報問題や森友学園顧問弁護士問題の馬鹿さ加減、酷すぎる。麻生太郎副総理のゲスの極み(これは既に書いた)、金田勝年法務大臣の共謀罪をめぐる不誠実な対応、書き始めたらキリがないほどの”安倍いい加減内閣”なのに、なぜか支持率が高いことに、これまた呆れている。「民進党がアホやから・・・」だけでは済まされないほどの傲岸不遜さ。数にまかせて国民を舐めきっているとかつての民主党のように多くの支持を失う結果が待っている。一連の対応を見ていると、国民があきれ果てて、怒り疲れるのを待っているとしか思えない。次に大きなニュースが起きたら全て雲散霧消してしまう”ニュースの陳腐化”を狙っているのでは。

 もう一つ気が合うのは、2月、3月の確定申告の時期になると税務署を恨めしく思う点だが、なぜか4月になると忘れている。私の場合は、得意でもない領収書整理をして顧問税理士に送るのだが、その点家人は全て自分でやる。分からないときは税務署の相談窓口にまで足を運ぶ。すでにそこからして根性の入れ方が違う。が疲れるらしい。帰るとへとへとになっているのを見るからよく分かる。それも3月15日をもって終了した。嬉しい、追加を払ったけど。

 それだけに森友学園の杜撰な補助金のニュースを見ると、税金が適正に使われているのかと憤りを通り越して、あきれ果ててしまう。是非大阪国税局には、速やかに査察に入ってほしいものだ。既に書いたが、大阪地検特捜部は何しとるンや!!

 <写真は、お茶の水・イカセンターのHPから> ここのイカを食べたら、すぐまた食べに行きたくなる。牡蠣の鬼殻焼きも抜群だった。魚好きにはたまらない店だ。

 3月14日は、3月中に発売予定の新刊三国浩晃さんの『おひとりさまの逝きかた』(弓立社)が校了したので、編集担当のT井みゆきさんと出版について相談に乗って貰っているR創社のM下さんと神保町の「イカセンター」で打ち上げをやった。この本には社会学者のU野千鶴子さんが推薦の帯を書いて下さった。 この日のお飲み会は、学習会に近い。出版歴30年以上のT井さん、40年以上のM下さんの話は貴重で、しかも二人とも事情通である。いま出版界を直撃しているのが、書店の閉店だという。そうなると各店に置いて貰っている出版物が返本となり、例えば2000円の本が5冊返ってきても、全国で100軒閉店したら1軒1万円で100万円になるという、そりゃそうだ。実例はもっと額が大きかった。そう言えば、出版界の人と酒を飲んでいて、ここ何年も明るい業界話を聞いたことがない。それでも最近のマスコミ志望の学生が目指しているのは、出版社に多い傾向がある。

  イカセンターの生きたイカは、切っても動くほどの新鮮さで、塩も醤油もつけずにそのまま食べても、口の中に独特の甘さが広がる。しかも生きているから吸盤が舌にくっつく。他の肴も大満足だった。5時半開店なのが嬉しいうえ、料金も新宿のタマル商店とほとんど変わらないのが好い。会社が近いF木兄に教えてあげなくっちゃ。きっと知ってるな。

スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク