桜咲くW稲田界隈 / 533

    元M日新聞のH場義之さんから「土曜日に(W稲田の客員教授をしている)H名幹男さんと加藤哲郎さんの定年を祝う会とJスクール(ジャーナリズムスクール)卒業生の懇親会があるから来ませんか」と声がかかった。いま脊柱管狭窄症なので立食のパーティーは遠慮しているのだが、声をかけてくれたのがH場さんでは行かないわけにはいくまい。H場さんは、前J智大学教授で、いまは私と一緒にW稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースで「ニューズライティングⅡ」というルポルタージュを書かせる授業を担当している。M日新聞らしい、権威が嫌いで、人柄の良さが喋っていると伝わってくる。現状を憂う新聞記者らしい正義感に溢れていて、一緒にいるだけで安心させる包容力を持った人だ。「横浜タラレバ爺」=我が輩をして、「もしM日新聞に入社できていタラ、彼の下で働けたのだろう」と思うことがたびたびあるほどの好人物で、兄貴と慕っている。

  昨日(3月18日)は、朝から書斎の片付けに奮闘。というのも研究室に置いてあった資料でどうしても持ち帰らねばならない紙資料などが入った段ボール5箱が届いたからだ。前日から家人が五月蠅いので、目が覚めるとすぐに始めた。途中昨夜の残りの「博多風鳥鍋」と私特製の刻みネギと魚肉ソーセージ入りオムレツ、茎ワカメの酢の物、浜食のべったら漬けでさっさと済ます。昨夜は娘と2人だったので、オムレツの代わりに初鰹と鍋だった。その娘は終業式で出かけてしまった。昼は午後1時前に池利のそうめん。私は3輪、家人は1輪。それから忘れていた公共料金を払いに行ったついでに買ってきた7・11のコロッケとメンチカツを各1個。何だか喰いたりないなぁとおもいつつW稲田へ。

  副都心線のNW稲田駅経由S大正門行きのバスで「穴八幡」で降りた。というのもこの時間ならまだ三朝庵が開いているかも知れないと思ったからだ。案の定まだまだ大盛況だった。ここのカレー南蛮とカツ丼、カレー丼は元祖と言われていて、確かにそれだけのことはある。カレー南蛮蕎麦にした。実にシンプルで豚肉、タマネギとカレールーが程よく出汁に溶け込んでいて、まったりした味わい。至福のひとときだ。女将さんは今年83歳、「今でも天ぷらを揚げられる」と豪語していた。私と同じ糖尿病で、薬を毎日10錠飲むというのも一緒だ。蕎麦はぺろりと完食。カツ丼も食べたかったが、H場さんとO大隈候の銅像前で午後3時の待ち合わせなので”定刻主義者“としては、少し急いでいたから諦める。

パーティーは26号館15階のレストラン。以前は「西北の風」という店名で、わたしが大学院生のとき、保育園児だった娘と家人とがなんどもW稲田に遊びに来ては、ランチや天ざる蕎麦を食べていた。M治郎先生が大好きで、パーティーと言えばいつもここだった。見晴らしが良く、春の日差しがまばゆい。そう言えば 来る途中W稲田界隈はもう桜が4分、5分咲きといったところで、連休明けには満開だろう。

  H 名さんとは一緒にお茶を飲む仲程度だが、K同通信が誇る凄い特ダネ記者であることは、もう20年くらい前から熟知している。『スクリュー音が消えた』や『スパイは何でも知っている』(いずれも新潮社)を発売当時読んだ記憶がある。研究室にあったはずだが・・・。同じK同のO田昌克さんも同様に凄い特ダネ記者で、『日米「核密約」の全貌』(筑摩書房)は中々インパクトのある内容だった。K同というのは、スクープするときは世界規模だから衝撃が大きい。A木理さんやU住昭さんなど国内ネタでの凄腕記者もK同だ。特にA木さんのテレビ朝日でのコメントは首肯できることが多い。

  パーティーでは、教え子でA日新聞さいたま支局記者のT君やA日新聞出版のニュースサイト「dot.」にいるK嶌太郎君、それから先月まで教えていた1年生のH君たちも来ていて、近況を聞いた。作家のM口敦さん担当だというWedge編集部のK野大一さんとは、Mさん話で盛り上がり、近くF木啓孝兄やIンサイドラインのT川隆夫さんを交えて呑もうと言うことになった。

この間10回以上は、かがみ込むような姿勢になって脊柱管狭窄症の痛みを柔らげるが、我慢できずに1時間ほどで引き上げた。普段なら赤坂に出て、「もゝ」に寄るところだが、まだ午後4時過ぎだし、この痛みを2時間近く我慢しているのも辛いので、まっすぐ帰った。電話で「何も買っていないから、鰻にしようとおもう」というから、帰りにマグロ屋によって、大量の中落ちとねぎま鍋用のぶつ切りを買って帰る。足は痛いがネギを忘れては意味がないので、八百屋にも廻る。風呂で温めたせいか随分緩和された。テレビ東京の「バイプレーヤーズ」の録画を観ながらの夕食。パーティーではウーロン茶3杯呑んだだけで、何も食べなかったので、レモンの濃い缶チューハイも中落ちも葱鮪鍋も鰻もずんずん進む。浜食の大根の醤油漬けが、これまた旨い。

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