16日以降連日の雨模様。こんな時に島を訪れた1航海(5泊6日、同じ便で往復)組は、気の毒としか言いようがない。それでも透明の例のレインコートを羽織ったり、傘をさしたりしてガイドブックに紹介されている名所旧跡を果敢に見て回っている。バスの窓からその様子を眺めながら、そりゃ2度来るかどうか分からないのだから当然だなぁと納得。幸い18日は午後から晴れてきた。部屋で桜木紫乃さんの『ワン・モア』を読みふけっていたが、実に面白かった、モコモコ起き出して、バスで扇浦海岸までシュノーケリングに出かけた。
▼もう10年以上前に、宮古島を娘と家人の3人で遊んだ時、島巡りガイドさんに、とんでもなく岸から離れた沖合いで降ろされたことがある。「エッ・・・」と瞬間思ったが、ライフジャケットは付けていることだし、と開き直り1時間近くも熱帯魚と戯れた。娘は大喜びで、ニモとは違う熱帯魚と仲良くなれた。だから探せば家の何処かにシュノーケル一式あったはずだが、自分一人で何から何まで準備したのですっかり思い出す余裕がなかった。
▼島では大体何から何までレンタルがあるが、シュノーケルの様に毎日使うのなら、とライフジャケットと一緒に購入した。大正解。海の中はすこぶる快適だった。だが魚は全く見かけなかった。そう言えば、「おつかめ屋」のお兄さんが、「扇浦は南の岩場の方でないと魚はいません」と言っていたのを思い出し、移動する。海岸には子供連れの若い夫婦がいるだけ。午後5時を過ぎると誰もいない海と変わった。岩場にはサンゴが少し見えたくらいで、この日は見るものは何一つなかった。
▼夜中の2時過ぎ、猛烈な叩きつける音がして何が起きたと驚いた。まだ起きていて良かった。「雨だ! 洗濯物‼︎」と慌てて入口脇のデッキにほしておいたシャツやズボンを取り入れる。後は図と朝まで激しく雨が降り続いた。ここは屋久島か?