小笠原 島便り2017 (14)サヨナラ山の暮らし  / 616

タラタラ降るのは、小笠原諸島に前線がひっかかっているためなのか?気象情報はほとんど分からない。こちらに来て新聞、テレビ、雑誌・・・とメディアに触れることは全くない。街の食堂ではテレビは映っているが、当地(島の人は、小港などこの周辺を「山」と呼んでいる)では、インターネットすら覚束ないのだから、期待する方が無理だ。そういう時は、そういう過ごし方をすればいい。

バンガローの近くでは小学生たちがキャンプ

▼この10日近く、1航海の観光客同様、島料理や名産品、名物を食べて来たが、そろそろ普通の生活に戻ろうと、昨日からスーパーで買っておいた食材を上手く活用しながら食事をしている。島の値段はすでにお判りの様に、大体2割から3割増しだ。飲食店は観光客値段だと理解出来るが、ストアの商品も同様とあっては、「へぇ〜」と我が家のスーパー買い物担当としては、ビックリぽんの連続だ。「創味の出汁」が1000円とは恐れ入った。OKストアの6割り増しでは?しかし輸送費や人件費を考えれば、仕方ないのかなと諦めざるを得ない。むしろこの価格で生活している住民はもっと大変では、と余計なお世話と言われそうだが、ついつい思ってしまう。 

▼18日お昼は魚肉ソ−セージ入り野菜炒めを「一平ちゃん焼うどん」に入れて変化球。キウイ🥝とアンデスメロン、野菜ジュース。夕方シュノーケリングから戻ると小腹がすいていたので、残りの野菜炒めを温め「日清のどん兵衛肉蕎麦」に入れた。これは、神田神保町にあるスタンド蕎麦「岩本」の人気メニュー〈野菜蕎麦〉を真似た。夜は例によってツマミ中心でハイボール。そうそう、こちらは(スーパー小祝で)サントリー角が1700円、オールドは1200円、これってどういう事や⁈ 

野菜蕎麦とお茶(父島にガッキーの十六茶は500mlしかなく、生協でも小祝でも大きいサイズは見つけられなかった、トホホ)


右手にオリンパスのデジカメを持つタイ人のMさん  左がハイ友(ハイボール友だち)の愉しいY沢さん

▼そこへタイ人のMさんが現れた。今夜一泊の旅行者で、愛知のトヨタ関連の会社で働いていたが、この程勤めを終え帰国する前に20年来の悲願達成のため父島に来たという。詳しく聞くと、「日本の漫画の『 LOVE』に10歳の頃大いに魅せられて、その時から主人公の出身地を訪れたかった。来られて本当に嬉しい」とその漫画を私とY沢さんに見せながら熱く語っていた。更に私を喜ばせたのは、オリンパス好きだと言って、フィルムのオリンパスペンFやOM1について様々な知識を披瀝してくれたことだ。しかも今度はデジカメのオリンパス・ペンFが欲しいと言うではないか❗️「俺も、俺も」とついついオリンパス友だち(オリ友)になったつもりでタメ口に。

タイ語で吹き出しが翻訳された『LOVE』

オリンパスを熱く語ってくれた”オリ友”Mさん

また途中から思い出してパチリ 納豆ご飯(雑な食べ方ですみません)

▼今朝(19日)も小雨。朝は「サトウのご飯」をチンして納豆かけ。これに梅干し、薩摩漬け、胡瓜と生ハムのサラダ、「信州一味噌」の味噌汁、牛乳、夏みかん。さらにモンカフェの様な簡易ドリップ式のコーヒー。昼はところてん、野菜ジュース、夏みかん。夜は、魚肉ソーセージ入り野菜炒め、胡瓜と生ハムのサラダ、ごぼう天、イカ天等々のツマミ中心で、もちろんハイボール。何と今日使ったお金は、1日乗車券の500円のみ。すご過ぎ〜る。永住できるかな?

▼明日(20日)は小港を去って街中の「ナインボール」に宿を移す。元々はこちらを希望していたのだが、予約でいっぱいだったため、インターネットで「長期逗留」と探したら、唯一「シャンティバンガロー」が見つかった。ただ頭はナインボールしかなかったため、泊まれる日を先に押さえた上で、バンガローに予約をしたので、イレギュラーな形で移動することになった。率直に言って、「シャンティバンガロー」は、大学の私の講義の単位基準なら十分、「秀」。厳しい教授でも「優」か「良」は付くだろう。

▼但し、羽アリとカエル軍団🐸🐸🐸が苦手な人は無理かも。「これも小笠原だ」と包み込める人なら、とてもいい宿泊先だ。1泊5000円。私は昼を街で食べ、商店で買い物をしたから、1日最低でも5000円は食費にかかっている。それを考えると朝夕飯付きで12000円〜15000円はアリかなと考えている。ただ本気で質素な自炊をすれば、安くつくだろうが、それでは旅に来ているのか、生活しに来ているのか分からなくなる。

▼「構わない凄さ」が、シャンティバンガローにはある。F沢ご夫妻は、朝の挨拶をする以外に、関わることはまずない。F川さんが帰る前夜バーベキューパーティーをしたのは、彼が1月か滞在して家を新築してくれたからに他ならない。ご主人の重要な役目は、夜、羽アリが出たときに発する「警戒警報発令」の叫び声上げるときだ。戦時中の隣組の親父よろしく、絶叫している。まぁ私の様な大雑把な人間には、実に過ごしやすかった。子供達も可愛かったし、楽しいファミリーの様に映った。Y沢さんやMさんのような短期の宿泊者やあかりちゃんのような優しいお嬢さんにも出会えて、山の暮らしは充実した10日間だった。

スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク