小笠原 島便り2017 (13)雨でも釣りにシュノーケリング / 615

ずっと雨でも観光客なんだから果敢に動かなくては!と1航海組の行動力に学び、少々の小雨は物ともせず八ツ瀬川(2級河川)の下流、つまり小港海岸近くまでバスで出かけた。何が釣れるって?テラピア。「おつかめ屋」のお兄さんに、その名前を聞いたとき、「凄いな、人喰い魚が泳いでいるの?観賞用を放流したのかね?大丈夫??」と思わず訊いてしまった。「大丈夫ですよ、あっちはピラニアですよ」ハッハッハ。大いに笑った。 


▼世界遺産の小笠原にあって驚かされることは、河川の汚さである。上流は分からないが、とにかくシャンティバンガロー近くなど「おいおいコレでよく世界遺産に登録されたなぁ」と呆れるほどの汚さだ。河川の性質なのか素人なので軽々なことは言えないが、いつも言ってるくせに、どう見ても1960年代後半から70年代の、あの高度成長期の公害発生時の河川汚濁と見紛うほどだと思うのは私だけだろうか。釣っている途中で、ドブ川で釣れた魚を食べようが無いな(釣果ゼロの負け惜しみ?)と諦めた。


▼時折小雨が降る中を再びバスで戻る。すでに書いたかもしれないが、バス賃はどこまで乗っても片道200円。とはいえ、一番乗っても20分のバスの旅だが。それでも1日乗車券を500円で購入すると乗り放題だ。平日で10本(5往復)しか走ってないから、それだとバスに乗って同じコースを行き来しているだけで1日が終わってしまう。バスは、村営だが、入札して一番安値で落札しているのが小笠原観光、そう私が2回電動自転車を借りた所だ。村営バスの常駐運転手さんは3人で、毎日乗っているから顔見知りになる。小学生たちに、「降りたら、バスの前後をすぐ渡らないでね。気をつけてね」と優しく声をかけるのが微笑ましい。 

容貌怪異と自認する私(お目を汚してスミマセン)

▼昼寝の後、ところてんを食べてから海水パンツを穿いて、そのままTシャツ姿でシュノーケリングに出かけた。昨日はライフジャケットを忘れていたので、今日は抜かりなく。バスの中は若い女の子が一人。終点が一緒だから海岸に行くか、海の入り口を左折して川沿いに中山峠やジョンビーチを目指すかだが。海岸まで出てきたら彼女もトボトボ後ろから歩いてきている。風貌怪異の私だと怖るといけないと思い、「横浜からきている小俣です」と声をかけると「関ヶ原のM浦です」と応じてくれた。ええ子や。お陰で一人旅では中々撮れない貴重な映像をお願いできた。ええ子や。お礼にブルベリーキャンディをあげた。 

▼海は少し波が高く、潜っても砂を巻き上げるばかりで、海上周辺の景色とは裏腹に、何ということもなく残念だった。まぁ水中カメラを持っているわけじゃ無いので、いいか。



▼その代わり世界遺産ならではのトイレを発見。トイレ探検隊隊長としては、これを見逃すわけにはいかない。いやぁ凄いな〜。先ほどの親切な彼女は遠くの方まで貝殻を拾いに行っている。


▼浜辺に座って目を閉じれば、海鳴りと風の音だけだ。思わず藤沢周平さんの『海鳴り』のおこうさんを思い浮かべる。一番好きな作品だ。遠い昔を懐かしむ。65歳になったということだ。

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